アナスイの記憶 後編 Anna Sui
前編から
アナスイと知り合いになり、その後数年に渡り彼女とコンタクトを取りつづけました。彼女が特定のアイテムを電話でリクエストし、そして私は次のショーに向けてそれをベストを尽くして探しました。
私は彼女のテイストを理解していたので、彼女がリクエストしたものを探すのが得意でした。
当時彼女は次の新作のためにニットウエアを探していました。それも普通のものではなく、複雑なパターンのものでした。デザイナーはビンテージの服から発想を得ることが多く、例えば「ポロ●●●●●●●」のように丸ごとコピーするデザイナーも少なくありませんが、彼女はそうでなく、ビンテージウェアの要素を用いてオリジナルのデザインを作り出します。
彼女は今まで私が会った中で一番親切なデザイナーでした。後に私のお客さんとなるビビアンタムも紹介してくれました。性格が良く、魅力的にあふれ、インテリジェンスと才能を持ち合わせた彼女が今の地位にいるのは私にとって驚くべきことではなく、当然のことだと思います。
日本に移住してきて、彼女ともう彼女とは何年もコンタクトは取っていません。今後また会うこともないとも断言できないけど、会っても彼女は多分覚えていないでしょう。でも私は彼女のことを同じパッションを持ったスイートな人だといつまでも記憶しています。
By Chris.
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