マリーアントワネット展に行ってみた
那覇の県立美術館で開かれている、マリーアントワネット展に行ってきましたよ。
マリー・アントワネットの関連の絵画、工芸品や装飾品、そして歴史的背景を知ることができる、コンパクトだけど内容の濃い展示会でしたよ。
もちろん複製品ですが、ファッションも展示され、撮影も可能でした。
「
ロブ・ア・ラ・ブランセーズ(Robe à la francaise)」と呼ばれたドレス。前後はフラットで横に広がるスカートのシルエットの持つドレスで舞踏会用。男性向けは「アビ・ア・ラ・フランセーズ(Habit a la Francaise)」
こちらは当時イギリスで流行っていたのモスリンを取り入れたドレス。アントワネットは流行にはかなり敏感だったそうです。
舞踏会用の髪飾りというか帽子というか・・・・。当時の帆船の軍艦を模したものです。これを見ると、「レディガガ」のやってたことは、単なるリバイバルだった事が分かります・・・・(?)
一般の来客者も体験できるよう、ブロンドのかつら一体型の軍艦ヘアーアクセサリーが用意されていました。僕はもちろん被りました。ついでに自分でロココ調フレームにはめ込みました。
小学生も読める分かりやすい文章とフリガナ付解説が至るところに。
沖縄では見られるチャンスのほとんどない、18-19世紀の肖像画を見ることができたのは、私にとっては小躍りしそうなくらいうれしいことでした。他の美術館でも見たことがあるのですが、当時の肖像画のスキントーンや、生きているような目の輝きは何度見ても驚きを感じます。(マリーとは関係ありませんが、肖像画ジャンルではレンブラントが有名ですので、本物の絵を見るチャンスがあれば、ぜひ逃さないで見てください)
そして展示品は家具、絵画、ジュエリー、装飾品、アクセサリー入れの小さなものまで、機能美とか微塵も感じられない華美な装飾は、まさにロココ。
アメリカの美術大学でフランスの近代の美術工芸の授業を取った友人から教えてもらったのですが(そんな授業を受けてみたかった)、18世紀、インテリアにこだわりのあるマリー・アントワネットがらみの王室からの発注で、フランスの家具界が最も活気に満ちた時代だったそうで、今でもヨーロッパや英語圏で使われる家具の技法、細かなパーツの呼び名は、当時つけられた名称が語原なんだそうです。
18世紀には、巨大な火山の噴火が原因とされる世界的天候不良による農作物の不作と、イギリスからのアメリカ独立戦争へフランス政府が巨額の援助をしたのと、いろいろな要素が原因でフランスは負債が増えてしまい、その負債を返すために増税をし、過酷な税金に苦しめられた民衆が怒ったためにフランス革命が起きたそうです。フランスの負債はマリー・アントワネットの責任ではありませんが、当時マリーはフランス王室のアイコンであったため、一般市民の困窮が進むと「スター」から「浪費の元凶である敵」になって、フランス脱出を計るも失敗し、処刑されちゃったそうです。
話はアメリカに戻りますが、現在のアメリカ人のフランスへのイメージは悪い人も多く、「シャワーに毎日入らず、体臭がきついイメージ」とか、「会話が攻撃的である」など、フランス人に会った事がない人ほど、ステレオタイプ的な先入観でフランス人を嫌います(←第二次世界大戦中の複雑な経緯が原因でもありますが)。逆に、フランス旅行、フランス留学、フランス語を習う人も多いです(
その一人のブラッドレイ・クーパー)。
マリー・アントワネット物語展は4月14日(日)まで、沖縄県立博物館・美術館 で。
マリーアントワネット物語展
ヒデキ
(元スタッフ、時々ブログ書いてます)
こちらの記事もどうぞ。
1700年代中頃の男性の正装でございます。
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